息子と男旅 礼文島へ

DSCN4788_convert_20170629160758.jpg

夏の始まる前の梅雨時期。
由布院で唯一ともいえる閑散期を狙ってお休みを頂いてしまいました~。
4日間のお休み。
「僅か」と思う方もいると思うのですが僕にとっては中々取り切れない長期休暇です。

これは思い切って思い切った場所に行くしかないな・・・。
もちろん旅の相棒は我が息子。
学校は・・・、なんとかしといてくれ奥さん。

そして2人でバス⇒飛行機⇒夜行バス⇒船 と乗り継ぎ辿り着いたのがここ 
遥か北の地 「礼文島」です。

息子はもちろん僕も初めて島の土を踏む!
しかし遠かった・・・。
由布院を出てからここまではるばる21時間30分かかりました。
由布院から一番時間かかる場所じゃないか?

そして到着後早速本日のお泊りの宿の迎えを受けてまずはお宿へ。

DSCN4790_convert_20170629160821.jpg

かつてここ日本では「旅=ユースホステル」という位日本中に旅の宿としてユースホステルが蔓延していました。
ゲストハウスやカプセルホテルなんて皆無だったのです。

若者はみんな見知らぬ世界や出会いを求めて無我夢中にユースホステルを回りまくっていたそうです。
もちろんいろんなタイプのユースホステルがありました。
食事が美味しい場所・便利がいい場所・キレイな建物の場所とそれぞれがそれぞれの特徴を出していたのですが、
その中でまったく他のユースホステルと違う特色を持つ異質なユースホステルが出てきたのです。

それが別名 「キチガイユースホステル」とも呼ばれているユースで、
そこでは毎晩ギターの音色とともに歌って踊ってと大騒ぎのミーティングが盛大に開かれていたそうです。

しかし時は流れ・・・。
他の旅人との相部屋という形態を受け入れない若者も増え始め、
またゲストハウスや他の安宿の台頭などもありユースホステルの存在感は静かに消え去っていくのです。
もちろん「キチガイユースホステル」と呼ばれた場所は真っ先に姿を消していきました。

そんな中頑なに数十年前の伝統と格式を守り抜き、
シーラカンスのごとき逞しさで古き良き「キチガイ」を押し通すユースホステルが今。
この日本にたった一つだけ存在している。

僕もユースホステルが大好きだというお客さんから何度も聞かされたその名前。
また今では珍しすぎて何回もTVなどでも放送されている伝説の宿。

それがここ 「桃岩荘 ユースホステル」なのです。

同じユースホステルに携わる人間としてはぜひ一度来たかった場所に、
やっと息子と2人で来ることができました。

礼文島の観光名所の一つでもある桃の形をした「桃岩」とネコの形をした「ネコ岩」
に挟まれたこの桃岩荘は思った以上に広くてキレイでした。

実はここに到着するまでの間に、
すでに僕も息子もこのスタッフの過剰ともいえるおもてなしぶりに度胆を抜かれています。
ここまでしてくれるんですか・・・?と若干申し訳ない気持ちになるくらいです。

でもそれは決して居心地の悪さを感じる類のものではないのです。
短い日にちですがこの先の滞在に希望しか見いだせないとても暖かいお迎えでした。

それをここで文章で表す事は僕にはできそうもありません。
ぜひご自分でこの衝撃を味わってみて下さい。

DSCN4803_convert_20170629161033.jpg

お昼前にユースホステルを出発して、
まずはフラワーロードを2人で歩きました。

ずっと悲しそうに沈んでいた空がこの午後だけにっこりと晴れ渡りました。
実は滞在した3日間で晴れたのはこの午後だけ。
梅雨の九州から来たのでひさびさ再会の太陽に心躍ります!

この時期礼文島は花満開!
一年で最も美しい季節と言われているそうです。
しかしそんな貴重な高山植物に何の興味もない男2人とっては、
花はただ気持ちよく高原ルートを歩くための飾りでしかありません。
ほんと歩かせ甲斐のない2人で申し訳ありません。

結局この日は15km程礼文の南部を歩き回り、
再びフェリーターミナル周辺の島一番の繁華街に夕方帰還。

DSCN4824_convert_20170629161343.jpg

諸々の事情により今年はユースホステルの夕食がないのです。
町からユースホステルまでかなり距離があるので先に夕食を取るしかない。
さっそく宿で紹介してもらったお店で礼文の名物の「ホッケのちゃんちゃん焼き」を注文。

目の前でジュージューと香ばしく焼けていくホッケ!
これがまた間違いなしの美味さ!
サイコーでした。

この時時間はまだ5時前だったのですが、
すでに店内には何名かの人がこのチャンチャン焼きを楽しんでいました。
「みんなえらい夕食が早いんだなぁ~」
なんて思っていたら何のことはない。
あとで宿に帰って判明したのですが全員桃岩荘のお客さんでした。
夕食ないとこの時間に食べるしかないですよね~。

DSCN4839_convert_20170629161621.jpg

そして翌日はこの旅のメインイベントの一つでもある
「愛とロマンの8時間コース」と呼ばれる礼文島を縦断するトレッキングに出かけました

今回一緒に旅立ったのはユースホステルで一緒だった11人のメンバー達。
常連さん・ご夫婦・若い旅人・定年後のおじさん・外国人と多士多才な面子でスタートです。

礼文島最北端のスコタン岬から歩きだし桃岩荘まで歩いて戻るというこのコース。
なんと全長 36kmもあるのです。

冠にもある8時間で本当に歩けるのか・・・、
と思っていたのですが全く無理でした。
結局僕たちが要した時間は11時間。
スタッフの人にみんなは8時間で歩けるのか聞いてみると、
「絶対に無理です。でもこれで10時間とか11時間と謳うとみんなやらないので、8時間の名前で通してます!」

ってそりゃ詐欺でしょっ!

でも花咲き誇る高原を眺めよく歩き、海岸線沿いで貝を拾い、森林地帯を抜け、砂の崖を滑り降りとコースは
とってもバリエーションに富んでいてとても楽しかったです。
同行したメンバーが良かったので本当に楽しい1日となりました。

DSCN4850_convert_20170629161701.jpg

これだけ朝早くから歩いたので普通はこれではい、お疲れ様!となるはずですよね。
そうならないのがこの桃岩荘なのです。

帰って風呂に入ってカップラーメンをすすると即始まるのが夜のミーティング。
島の観光案内から始まり、島の歌を歌いだし、最後は全員で歌って踊るという催しが毎晩繰り広げられます。
しかもたっぷりと2時間!

「決して強制ではありません!」と何度も強制されるのでよほどの常連さん以外はほぼ全員参加します。
ただこれも決して嫌じゃないんですよ。

目の前のスタッフは一日の仕事の終わりで疲れているはずなのにいつでも全身全霊で歌って踊る。
そんな彼らの汗だくの姿にただただ伝わってくることは感動のみ。

その熱い想いでその場が満たされているのでだ誰もがちょっと照れながらも一緒に歌って踊れるのです。
人が作り出す力の偉大さを感じずにはいられない夜でした。

もう一つこの宿の絶対の決まりが禁酒!
決してこの恥ずかしさを乗り越える手段として酒は使わせない!
という体育会系のノリに大いに共感を覚えました。
酒で酔わさずともみんなを楽しませる!という絶確固たる風格すら漂う彼らの姿は見ていて清々しいです。

DSCN4859_convert_20170629161726.jpg

僕達のこの2泊3日の桃岩荘滞在もあっという間に終了です。
去りゆく人には「え~本当にかえっちゃうんですか?もう一泊!いやもう2泊!」
とお決まりの引き留めをしてくれるのですがそれがまたとっても嬉しいくらいにだれもがココに惹かれました。

宿から車が出るときも坂の最後の最後まで走って追いすがってくれ、
また船が出るときは見えなくなるまでずっと歌って踊ってくれた彼ら。
去りゆく僕たちも声が枯れるまで「いってきまぁーす!!」と叫んでいました。

僕は正直いろんな人からこの桃岩荘の話を聞いた時、
興味はあったのですがなにか宗教的な匂いを感じて懐疑的でした。
常連と呼ばれる人たちだけが盛り上がってる宿なんじゃないかな?
夜のミーティングも強制的にしてるだけで自己満足的なものなんじゃないかな?と。

というのも「好きな人には好きだけど、合わない人は全く合わない宿」っていう話も聞いていたからです。

でも実際に行ってみてその初めの想いは全ていい方向に裏切られましたね。
これだけお客さんの為に一生懸命に頑張ってくれる宿は他にはないです。
聞くとスタッフは休憩時間も休日も全くないそうです。

まさに個を捨て、利を捨て、お客様の為にすべてを捧げる宿。
日本一のおもてなしの宿だと感じました!

思いがけずすっかりとここに魅せられてしまった僕は、
ぜひもう一回次は末娘を連れて帰ってきたいと早くも考えています。

この由布院で同じことができるかというとそれは無理ですが、
あの姿勢だけは見習おうと今は思っています。

DSCN4860_convert_20170629161752.jpg

そして夢のような島での滞在を終え、
再び長い長い帰路の旅につく我ら。

今回奥さんから許可された学校休みの期間は水曜日まで。
つまり木曜の朝8時までに由布院に帰らないといけないのです。

このために僕は様々な時刻表とずっとにらめっこをしました。
そしてあらゆる可能性を掛け合わせた結果。
たった一つだけの帰りのルートを見つけ出したのです。

それがこちら。

礼文島 8:45          ⇒  船  ⇒  稚内港 10:15
稚内 11:00           ⇒  バス  ⇒  苗穂駅 17:10
苗穂駅 17:14         ⇒  電車  ⇒  新千歳空港 18:00
新千歳空港 17:30      ⇒  飛行機 ⇒  神戸空港 21:00
神戸空港 21:20        ⇒  電車  ⇒  三ノ宮駅 21:45
三宮バスターミナル 23:00 ⇒  バス  ⇒  宇佐 7:10
宇佐 7:10           ⇒  車    ⇒  湯布院小学校 8:00

これが唯一無二の登校へとつながるビクトリーロード。
そしてこの成功の鍵ともいえるのが苗穂駅での乗り換え 究極の4分間。
ここを制することができるかどうか・・・。

バスが札幌に入った後はもう信号機一つ一つにビビりっぱなしでした。
そしてバスが止まった後は猛然とダッシュをかまし、みごと17:14の電車に乗れたのです。

そしてお別れの北海道。
礼文島以外ほぼ何も見れなかったのですがとても実り多い4日間でした。
僕にとってもそうですが10歳の息子にもきっとなにか大きな爪痕を残してくれたと信じています。

そして息子は2日間で50km以上歩き、
夜行移動で睡眠不足のまま無事に学校に消えていきました。

彼はその後普通に授業受けて学校終了後そろばん行って、18時半から20時半まで太鼓の練習行って、
今ヘロヘロで帰ってきた後TV見ながら爆笑中。
この後まだ今日の宿題が残っているのにもかかわらず。

桃岩荘もほんとにすごかったけど正直お前が一番すごいわ・・・。

湯布院カントリーロードユースホステル  
スポンサーサイト

この記事へのコメント

管理人のみ通知 :

トラックバック