夜の山

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「それでは夜の7時45分よりナイトツアーを開催します!皆さんぜひご参加ください!」

館内に軽快な声で響き渡るアナウンス。
今夜のお客様は全て外国人。
きっと異国から様々な希望を胸に日本に来たんだろう。

その期待を僅かながらこの必殺営業トークで満たしてあげよう。
今夜は満点の星空だ。
都会とは違う星の輝きにきっと目も開けていられまい。
ふっふっふ。
大いに期待しておきたまえ!

そして立ち尽くす7時45分の玄関。
なんと参加者・・・、0名。

さ、さみしいなぁ・・・。

この夜のツアーが僕の中では一つのこの宿の集大成だと思っています。
施設のレベルも立地条件も他の由布院の宿と比べたら格段に落ちる我がユースホステル。

それでもお客さんが来てくれるのはもちろん価格の理由もあるでしょうが、
他の宿にはない楽しみ。
すなわちこの夜のツアーの為のはずなのです。
いや、そうにちがいないのです!

その心の拠り所を否定されると営業の抜本的な方針が大きく歪んでしまいかねない。
そんな寂しさが吹き抜ける今夜・・・。

イイでしょう。
皆さんかまってほしくないなら放っておきますよ。
そしてぽっかりと空いた心の隙間と自由な時間。

お出かけしますか・・・。

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数分で準備を整え、
さー行くぞ!

もちろん向かうは山だっ!
といっても明日も仕事があるので近場も近場。

裏の山に入っていくことにしました。
誰もいない深い森へと踏み入れていきます。

もちろん月明りもない今夜は暗黒の山中。
それでも見上げると黒い木々の影の間からは見事な星たちが煌めいています。

夜の道無き登山は非情に難易度が上がります。
自分で道を選んで進むしかないので先の地形を読み解きながら進むことが絶対の条件なのですが、
夜になると見えるのは小さいヘッドライトで照らされた目の前のスポットのみ。

つまりまったく先読みができないのです。
なので次々に現れる難敵を素直に受け入れ攻略していくしかないのです。
今夜も厳しい急坂を何度もずり落ちながら、身体全体を使ってよじ登ってきました。

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そして1時間ほど山中を独り彷徨い続けた最後に辿り着いたこの見覚えのある広場は。
そう、「見晴らしが丘」です。
やった~。
いつもの知った場所に辿り着いほっと一息。
あー今日もいいサバイバルできたな。

さっきまでのモヤモヤしたハートも今夜の空の様にスッキリです!

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そして湯布院の街灯かりを望む。

余談なのですが僕は夜の山を怖いと思ったことは一度もありません。
むしろ誰もいない真っ暗な山にいるとどこまでも心が落ち着きます。
夜の山大好きなわけなのですが、最近実はある漫画にはまっています。
それは今さらなのですが「進撃の巨人」。

知らない人にために簡単に説明すると、
人類が何故かそこらをうろつく人を食べることだけにしか興味がない巨人達と戦うというお話です。

この描写がリアルすぎて頭から離れない!
もしこの暗闇から巨人が出てきたら喰われるじゃないかっ!
まずいぞ。こんな森の中じゃ絶対に逃げられないし、
肝心の立体起動装置も持ってないので戦う事もできない~!!

なんて想像しながら若干大きな木のシルエットなんかにビビりながら歩いてきたわけです。
まいりますね。

それでもなんとか無事に誰一人と会う事もなくユースホステルに戻ってまいりました。
今夜の失意はもう今夜のうちに解消です。

また明日は来る。
明日ももちろん笑顔でナイトツアーの放送を流したいと思います!

湯布院カントリーロードユースホステル  
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