大いなる忘れ物。

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広がるサバンナ。
17年前撮った写真。
絶壁の岩の上から眺めるアフリカの大地はどこまでも荒涼です。

でもそんな絶対的な空間の広がりに胸躍っていたのは初めだけ。
右見ても左見ても立っても座っても全部同じ。
まーーーったく同じなのです。

人間ってなにか違うものがないとすぐに飽きちゃう生命体みたいですね。

もうすっかりと馴染みきったこの世界に何か自分たちがいた証を残さないか?

ある日突然こんな話が飛び出しました。

多角的に農業を開発していく
「アグロフォレストリー」
を目指す僕たちのプロジェクトには、
総勢8人ほどの日本人が集まって仕事をしていました。

みんなでいつの日かここをふっと思い出せる、
ないか特別なことがしたい!
そしてたどり着いた結論が「タイムカプセル」です。

その名の通りみんなで何かをカプセルに詰めて埋め、
いつかみんなで掘り返しに来ようという企画。

ふと思いついた割にはみんなで大いに盛り上がり、
早速実行に移すことにしました。

しかし問題はカプセルに入れる中身。
なにせここは祖国から遠く離れた異国。
自分の持ち物も著しく限定されてしまっているのです。

みんな考えに考えた挙句、

ある人は愛読書の本を。
ある人は大切な指輪を。
ある人はしょーがないので10000円を。
カプセルという名の空き缶の中に入れたのでした。

ちなみに僕がいれたのは大学時代のサッカー部のソックス。
かなりボロボロの布きれですが、
僕にとっては思い出が詰まった大切な宝物なんですよ。

そんなみんなの大切な想いと品をしまいこんだカプセルを、
砂漠の中の岩山の頂上付近に埋めることにしました。

ここに行くには砂漠をバイクで超えて行かなければいけません。
結構技術と慣れが必要です。

急な崖をゼーゼーと登り切り、
風が吹きにくい場所に砂が飛び去ってカプセルが見えないように、
慎重に深みに埋め込んでいきます。

いつか・・・、
これをみんなで笑いながら掘り返そう。
きっとすごく素敵な忘れられない瞬間になるはずだ!

そう信じたあの瞬間からもう17年。

実際問題。
アフリカは・・・、
遠すぎた・・・。

タイムカプセルというからには、
開けるのは何年先になってもいいものなのですが、
正直断言できます。

あの空き缶を取りに行くためにもはやあそこまで行くことは絶対に無理!
今だから分かるのですが、それくらいちょっとやそっとで行ける場所じゃないのです。

当時の状況ですが、
首都から車で未舗装の道を走って2時間。
最寄りの村からオフロードのバイクで砂漠を走って30分。
似たような感じの岩山を30分登った頂上付近の砂の中。

って辿りつくことさえ無理だ。

あー!
若すぎた~!

もうちょっと場所を考えて埋めるべきだった。
例えば首都の空港近くの目立つ木の下とか・・・。

そして実は埋めた時から別の不安もあったのです。
当然周りに誰もいないことを何度も確認してから埋めたのですが、
しょせん都会っ子の日本人の目での確認にすぎません。

砂漠の中ではぐくまれたスーパーアイを持つアフリカ人たち。
ひょっとして遥か地平線の先から僕たちがしていたことをすべて見ていて、
とっくに掘り返してるのではないか??
彼らの世界で彼らに隠し通せることなんて何もないのでは??

なんにせよ真実はすべて彼の地に行かないと分からない。
つまりは半永久的に解き明かされることのない謎なのです。

ただ今唯一の可能性をもつ人間が一人だけいます。
我が娘 しきゑです(。まだ11歳)
彼女の名前はこのエリアにある僕たちが働いていた、
シキエ村からありがたく頂いたものなのです。

彼女が大きくなり、
名前の由来に心動かされ、
もしこの地を訪ねることがあったのなら・・・、

命がけでこのタイムカプセルを掘り返してきてもらおう。

頼むぞ~。
娘~。
おれのソックスを持ち帰ってきておくれ!

湯布院カントリーロードユースホステル  
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