自由な夜には・・・

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現在毎年恒例の全館の床ニス塗り真っ最中。

午前中は腰をかがめながら、
延々と集中してただひたすらに塗り進めていきます。

結構塗る場所が多いのでハードな仕事なのですが、
一度塗ると乾くまで待つしかないので、
午後からはずっとフリーとなります。

もちろん・・・よ・る・も・・・。

そんな自由な夜を謳歌するため、
先月霧雨のために結局途中で諦めた、
由布岳山頂泊に再び挑んできました!

登山道入り口にて。

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晴れ渡る空。
降り注ぐ星光。

実に気分よく歩き出した僕は、
ゆっくりと暗闇と静けさとたった一人の貸切の時間を噛みしめながら、
標高をあげていきます。

僅か1584mの山ですが、
しっかり森林限界を持つ由布岳。

頂上に近づくにつれ、
今まで周りをしっかりと守ってくれていた木々は減りだし、
ビュービューと風が吹き始めます。

あれれ?
なんか雲行きがおかしい。

そして22時に登頂!

しかし・・・、
寒いぞっ!!

下界の暖かい部屋の中で自由な夜によっぽど浮かれていたのでしょう。
なんと今回持ってきたのは夏用の寝袋1つのみ。

先ほどまで辺りを覆っていた、
煌びやかな夜景と星降る夜への期待感は消え失せ、
とてつもない不安感に潰されそうな男が一人・・・。

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しかしここまで来たからにはとりあえず寝るしかない!
頬に吹き付ける痛い風をなんとか少しでも避けれる場所を探し求め、
低木の中にちょうどいい隙間を見つけました。

よし!
今夜のお宿はここだっ!!

そして実に心もとない寝袋にその身を預け、
ビュービューと耳元でささやく風音を子守唄に、
ただ眠ることに全力集中!!

が、なかなか眠れない。

明らかに周りのすべてを自分と同じ温度に下げようとする大自然の冷却エネルギーと、
ちっぽけな人間が生のために作り出す発熱エネルギーが、
まったく釣り合わない!

数時間前の浅はかな自分に問う。
「なぜあの時冬用の寝袋を持ってくるというちょっとした機転が利かなかったのか?」

それでも半分意地になりながら、
必死に身体を丸めて耐え忍んでいた僕に、
ついにその時が訪れる。

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寒さの限界突破。

ガタガタと震えが止まらなくなってきました。

時計を見るとまだ2時。
寒さはこれから益々ヒートアップしていくでしょう。

このままここにとどまれば、
ちょっとやばい・・・。

「勇気ある撤退」
勝手にそう名付けることにしよう。

今まで世界中の山々で登頂という目的を目の前にしながら、
危険のために泣く泣く撤退を選択した偉大な先輩方。
僕もその不屈の登山家精神にのっとり、
潔くこの場を去ります!

どうにかそれらしい理由で自分を納得させ、
そそくさと下山準備開始。

1秒でも早くこの場を離れたい僕は、
流れるような手際ですべてを片づけ、
速攻で頂上とおさらば!

冷え切っていた身体もさすがに歩きだし、
徐々に下がっていく標高に、
やっと落ち着きを取り戻します。

助かった・・・。

しかし求めていたぬくもりを手に入れた欲深き身体は、
続いて新たな望みをすぐに要求!

睡眠です・・・。

暖かくなり出した途端に、
くらくらと襲い掛かる睡魔。

頭は夢と現実を行き来する中、
身体は自動操作モードにチェンジ。

無意識のうちに目の前の景色を全神経に通達し、
右足・左足は足元の岩岩をよけながら、
どんどん進んでいきます。

人間ってすごいですね。

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途中ではミヤマキリシマが5分咲き位でした。
ちょっとほっとした瞬間。

そして下山が朝の4時。
下まで来ると吹く風も暖かくなってます。

出発の時に見た春の星座で覆われた天は、
もう秋の空に変わろうとしていました。

今回も敗れた由布岳頂上泊。

装備が足りないという完全なる人災ですけどね。

次はもっと暖かい時期に、
万全の準備で挑みたいと思います!

湯布院カントリーロードユースホステル  
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