嵐を呼ぶモロッコ旅行 最終章

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ツバカルでの激闘を終えた我々は、
心底疲れた体を休めるため海辺のリゾートを訪れ、
そこでひと時の安息の時間を心ゆくまで楽しんだのです。

美味い物を食べ、海で泳ぎ、街を歩く。
そんなただの観光を存分に楽しみ、
いよいよ旅立ちの町カサブランカへ向かって帰りだしました。

長いバスの中でこの激しすぎた旅を2人でじっくり語り合います。
もうこの旅もあと2日。
あとはおみやげでも買いながら、最後にモロッコの首都を堪能するだけです。
余裕マンマンの2人。

そして無事に帰り着いたカサブランカ。
まずは今から2日間を遊び倒すためにお金をおろしに行こう!!
と初めに立ち寄った銀行で2人ともある異変に気が付くのです。

ない!
あるべきものが、
ない・・・。
旅人の命ともいうべき、パスポートが・・・。

そしてはっと気が付いたのです。
いつもはその辺の安宿に泊まるのですが、
前夜はちょっと贅沢をしようということであるリゾートホテルに泊まったのです。

そこのフロントにそういえばパスポートを預けたぞ!!
そして当然のように返してもらい忘れてきた~!!

慌ててホテルに電話すると、確かにパスポートがあると確認してもらいました。
さぁーどうするか・・・。

今から取りに帰っても2日後のフライトに間に合わない。
あれこれ手段を考えめぐらせていると、ホテルの人からある提案が!

ここから出ている長距離バスの運転手に預けておけば明日には届くと思いますよ。
ナーーーイスモロッコ人!!
なんて気の利くアイデアを出してくれるんだ!
旅の間モロッコ人だめだめだぁー!と文句言いまくってごめんね。

よし!これでパスポートはなんとかなりそうだ。
よかったよかった。

しかし問題はここから。
まず一つは持ち金がほとんどないこと。
そして今夜の寝る場所をどうするか。

ここカサブランカではお金をおろす時もホテルに泊まる時も必ずパスポートの提示が義務なのです。
いくつか安宿を探して交渉するもやはりパスポートなしではダメとのこと。

しかしここで素晴らしい情報をゲット!
警察に行って事情を説明すれば、パスポートがなくても宿泊ができる許可証がもらえるらしい。
これだーー!

早速警察に向かいました。
もう時間は夜の9時を回っています。
そしてこの旅3度目の警察署で事情を説明し、
なんとか許可証を書いてもらえることになりました。
しっかしこの担当の警察官、怪しいオーラをビンビン出しまくってるのですが・・・。

許可証はすぐにできたのですが、なぜかなかなか渡してくれない彼。
「こんな遅い時間にこんな余計な仕事が入ってたいへんなんだよねー」
と愚痴る男。

いや。それがお前の仕事だろ!

執拗に仕事の大変さをアピールする男。

「どうすればいいんですか・・・?」

「まぁー、○○ディラハム(お金)くれたらすぐに渡すんだけどねー」

・・・モロッコ。
腐ってるぜぇぇぇぇぇ!!!!
しかも高ぇぇぇ!!!

普段温和な壮太がこれにはブチ切れ!!
警察官の書いた許可証を素早く取り上げ、目の前で破り捨てたのです。
やった!男だぜ!
そして2人で後ろから聞こえる罵声を無視してそのまま警察を後にしました。

いやー、爽快だ!
気持ちいいぜー!
だけど今夜どうしよう??

すでに深夜も近づくカサブランカは危険な香りに満ち溢れています。
そしてある公園に来たのですが、すでに怪しい視線が周囲から痛い!
その時公衆トイレを発見!

ここだ!
トイレの中なんてもちろん危険すぎるのでだめですよ。
でも一つ盲点で絶対に見つからない穴場があったのです。
それはトイレの上。

下からは決して見えないトイレの上はこの上ない安全な場所。
2人で周りの人に見つからないように裏から木を伝ってなんとか屋根によじ登り、
ようやく安住の地を求めることができました。

ひとまずは寝床は確保できたのですが、
冬の夜のカサブランカは寒い・・・。

まずはありったけの服を着て、お互いザックの中に足を突っ込み、
なんとか丸まってみるのですが、時間と共に着実に冷えていく身体。
このままじゃーいけない!
自然と2人で抱き合いながらただひたすら日が昇るのを待ち続けました。
なぜ試練は終わることなく続くのか?
世界は何を試そうとしているのか?

どれくらい2人で震えていたか・・?
やがて徐々に明るみだす空。
そして待ち続けた日の光が・・・。
温かい・・・。

固まり切った身体をゆっくりと溶かしていく日光。
じっくりと太陽を浴び身体が動くようになったところでいよいよバスセンターに向かおう!

バスセンターの事務の人にまずは事情を説明。
そして1日2本あるそのリゾート地からのバスから届きものがないか尋ねたが、
何も届いてないとのこと。

まぁー午前だしな。
きっと午後便だ!

そして2人でひたすらひもじいお腹を耐えながら午後を待ちます。
パスポートさえ来れば今夜は豪遊だ!
あと少しの辛抱だ!!

そして午後。
再び訪れたバスセンター。
届いていることを疑いもしない2人は笑顔で入っていたのですが、
なんとまだ届いていない!
マジか・・・。

そうだ。
ここは日本じゃないんだ。
モロッコなんだ!
これはマジでやばいぞ!!

2人でしょんぼりとバスセンターをあとにしたのですが、
あーー今夜どうしよう!

またあのトイレの上で夜を越したら死ぬぞ。

ここで2人はある必殺の抜け道を考えていたのです。
知り合いの知り合いの知り合いくらいの人がモロッコに住んでいて、
その住所だけは知っていたのです。

もちろん面識もないほぼ他人なのですが、もうこの人しか頼れない!
無礼を覚悟でその住所を何とか探し当て、
困惑するその人に事情を説明してなんとか1泊泊めてもらうことができました!
しかも飯もご馳走してくれて!
あの方がいなかったら今の僕はなかったですね。

そしてしっかりと寝て食べさしてもらった2人は恩人にがっちりとお礼を告げ、
向かうは全ての運命を握るバスセンター。
もし・・・、もし今パスポートが来ていなかったらもう帰る術はなくなります。

まずは入り口前で2人で円陣を組んで気合いを入れます。
頼むぜぇー!
そして入っていくとすべてを知るすっかり仲良くなった受付のおばちゃんが、
困り果てた顔で見つめ返してきます。
まさかまさか・・・。

「まだ届かないの」

終わった。
このままカサブランカの闇に消え去っておしまいだ。

と思ったその時!!

裏の扉が開いて意味ありげな笑顔の所長が登場。
ゆっくりと持ち上げた彼の手の中には2冊の緑のパスポートが!!

「今着いたよ」

がぁぁぁぁぁぁっ!!!!

あまりの興奮にセンター内で大絶叫の2人。
バス待ちのお客さんは初め驚いていたのですが、
僕たちのあまりの喜びように引き込まれ、そのうち次々と訳の分からぬハイタッチの嵐。
まるでバスセンター全体が優勝パレードのような熱気と興奮に包まれたのです。

モロッコ最後の最後にいい感動くれたぜ!!
あいがとーーーっ!

そして。
あまりに熱い3週間を終え、
無事に2人飛行機でこのモロッコを後にしました。
なんか数年分のハプニングを前借した気分です。

そんな僕24歳の時の旅でした。
よくぞここまで読んでいただきありがとうございました~!

湯布院カントリーロードユースホステル  
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